子供の頃住んでいた町の駄菓子屋さんの店の奥は荒物屋さんでした。
お菓子を買いに行くのだけれど、たいてい店のおばちゃんがちっとも出て来ないのでその間、奥の迷路のような荒物売り場を見るのが好きでした。
子供の自分に、買うという用事は全く無いのですが何から何まで、訳のわからない道具のひとつひとつに興味津々・・・。
何これ?何これ?の連続で楽しかった記憶があります。
物心つくころには、専門店に行くのが好きでした。
釣具屋さん、紙屋さん、紐屋さん、工具屋さん・・・・・。
どこも、本来の目的とは違うお客です。
釣具屋では、ひたすらルアーを眺めてキーホルダーやペンダントに合うものを物色する。
紙屋では自分だけの便箋やラッピングペーパーを、紐屋ではリボンを工具屋では何と長靴を・・・とにかく既製品ではないものからの発見が楽しかったのです。
なぜそこまで、惹かれたのか。
本来の理由があって生まれた道具は必然的に価値があり、そして美しい。
売る為の前に、使う為に生まれてきたモノ。
道具というと少々堅苦しいかもしれないけれど、道具と専門店に敬意を表して、日常生活に使って楽しい、嬉しい、モノをこれからも提案していきたいと思っています。